サイモン・クチャーは、2024年4月、銀行業界向けに「貸出金利の最適化」に関するホワイトペーパーをリリースしました。2024年3月の日本銀行によるマイナス金利及びイールド・カーブ・コントロールの撤廃の決定及び、同年7月の追加利上げにより、「金利ある世界」が本格的に幕を開けています。
多くの国内銀行が、政策金利の上昇に呼応する形で預金金利及び貸出金利(短期・新長期プライムレート)の引き上げを行っているものの、長年に亘る低金利環境の下で歪んでしまったスプレッドを是正し、真に本業回帰を実現するためには、大きな困難と障壁が待ち受けています。
本レポートでは、国内貸出金への依存度が高い地方銀行を主眼に置き、足許の環境の変化を概観した上で、単純な基準金利の引き上げに留まらない貸出金利の最適化を実現するための包括的な戦略・アプローチについて述べています。
「金利ある世界」で貸出金利の引き上げを実現するには、総合取引収支や将来ポテンシャルに基づく適切な顧客の「選別・優先順位づけ」、それに基づきスプレッドを差別化する金利設定モデルの高度化、顧客コミュニケーションの戦術策定とトレーニング等、包括的なアプローチをとることが求められます。経営トップが不退転の決意をもって強力に旗振りし、本稿に記載の戦略・アプローチを採用・実践いただくことで、本業収益の大幅な改善を実現することができると確信しています。
※本レポートは2024年4月に作成しております。最新の戦略・アプローチについては直接お問い合わせください